むねた裕之
むねた裕之むねた裕之

川崎市・施設の使用料・手数料値上げ―なぜ今の時期?公的役割に逆行

9月13日、川崎市議会第4回定例会における日本共産党・代表質問で「使用料・手数料の値上げ問題について」取り上げたので、その質疑を紹介します。

●質問

市の施設の使用料・手数料の見直しについてです。

2014年に「使用料・手数料の設定基準」を策定し、4年ごとに原価計算に基づく使用料・手数料の見直しを行うとして、今議会に議案が提案されています。見直しの方法としては、標準的受益者負担割合と大きな乖離がある使用料・手数料の改定を行うとして、他都市よりも負担割合が低い使用料4件、手数料5件を値上げの対象にしています。また、消費税の負担の転嫁による使用料・手数料の改定を行うとして、使用料30件、手数料4件を値上げの対象にしています。市民にとっては使用料で4,000万円、手数料で2億1,000万円、合わせて2億5,000万円の負担増となるものです。

値上げの時期についてです。

 現在、コロナ禍の中で、また物価高騰に苦しんでいる市民や中小企業が多数出ている中で、なぜ、いま使用料・手数料を上げなければならないのでしょうか。他国では、物価高騰から市民の暮らし営業を守るために消費税減税に踏み切った国が90か国以上もあります。国からもコロナ対策、物価高騰への支援として地方創生臨時交付金が交付され、公共料金や光熱費、燃料代補助などの支援がなされようとしている時に、なぜ、川崎市はそれに逆らって公共料金を上げようとするのか、市民から理解が得られると思っているのですか、市長に伺います。

公共施設における行政の役割についてです。

 地方自治の本旨は「住民の福祉の増進」です。その意味で公共施設は、市民誰もが利用できるためにできるだけ使いやすく料金を低く設定することが行政の役割のはずです。他都市を基準にした標準的受益者負担割合からみて、使用料負担率が低い施設が多くあるということは、むしろ市民にとっては良いことであり、行政の役割を果たしているとみるべきです。今回、負担率が低い施設の使用料を上げるという改定は、行政の役割から見れば逆行することではないでしょうか、市長に伺います。

◎答弁

新型コロナウイルスの感染が引き続いていることや物価が高騰している状況は認識しているところでございまして、これらの課題への対応は引き続きしっかりと行ってまいります。

今回の使用料,・手数料の改定は、本来、施設等を利用する方に御負担いただくべき経費について、適正な御負担をお願いするものでございまして、利用する方々に対しては、市政だよりや、各施設での広報などにより、今回の改定の趣旨について周知を図ってまいります。

また、公の施設につきましては、施設の設置目的等に応じて、御負担いただくべき標準的な受益者負担割合を定めておりまして、今般,の改定は、利用する方と利用しない方との公平性を確保するために、必要なことであると考えております。