むねた裕之
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新型コロナの医療提供体制に関する要望書・・災害級の体制を取り、臨時の医療施設の大規模な増設を

川崎市長 福田紀彦様

新型コロナウイルス感染防止のための医療提供体制に関する要望書

2021年8月23日

日本共産党川崎市議団 団長 宗田裕之

 川崎市の新型コロナウイルス感染拡大の実態は深刻です。モニタリング結果(8/17発表)では、緊急事態宣言下の都道府県で比較すると10万人当たりの陽性者数254.5人は沖縄に次いで多く過去最多。陽性率54.9%は最高の神奈川(34.6%)より高く、新規感染者が多いために検査が追いついておらず、さらに感染が増えることを示唆しています。医療提供体制では、コロナ病床使用率は80%で逼迫しているといわれている東京(60%)より高く、重症病床の使用率は120%となり確保病床を30から45床に増やしたのに入りきれない状況です。自宅療養者数は18日の時点で7507人と全県の自宅療養者数(13342人)の56%を占めており、入院率も2.9%で、5月に医療崩壊を起こした大阪、兵庫、沖縄の10%台よりもずっと低く、感染しても、ほとんどの方(93%)が入院できずに自宅療養となっている事態です。

 全国各地で、自宅療養中に亡くなるケースが相次いでおり、川崎市でもこの間、亡くなった方を出しています。早急に、自宅療養から医療の手が届くように、コロナ病床を増やし、宿泊療養施設を大規模に増やすことが求められています。

 保健所の機能が限界に来ています。家族に陽性者が出ても、濃厚接触者の判定、PCR検査まで2,3日待たないと受けられず、病状が悪化したと連絡しても保健所からの指示が来ないなど、家族にとっては耐えられない事態が続いています。保健所体制の抜本的な拡充が、すぐに必要です。

 今の川崎市の状況は、災害級の対応をしないと新型コロナ感染拡大を食い止められないところまで来ています。市は、この事態を認識し、市民にこの危機的な状況を知らせ、災害時と同様の体制をとり、すべての施設、職員、財政的支援をコロナ対策に集中する必要があります。以上のことから以下の施策をすぐに実施に移すよう要望します。

1. 医療の手が届く宿泊療養施設と臨時の医療施設を大規模に増やすこと。

市の宿泊療養施設は、わずか1か所(300室)しかなく、療養者数もわずか66人(18日)。福井県のように市の体育館、市内のホテルを利用して宿泊療養施設を増やし、そこに医療従事者を常駐させること。沖縄県のように体育館やグランドにプレハブを建てるなどして臨時の医療施設を増やすこと。9月から移転する武蔵小杉の旧日医大の病床(372床)をコロナ病床として利用できるように交渉すること。

2. 災害時と同様に、保健所への抜本的な体制強化を。

今の応援体制では全く不十分です。災害時のようにすべての部局からの支援を集中すること。

3. コロナ病床、医療従事者を確保するための市独自の財政支援を。

医師会とも協力をして、医療機関や医療従事者への特別手当などの財政支援をして、病床、人材を早急に確保すること。

以上。