むねた裕之
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川崎市臨海部・キングスカイフロントの経済波及効果見込めず

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180億円税金を投入したが、税収増は年5億円のみ

9月議会での決算審査特別委員会で、臨海部のキングスカイフロントについて取り上げました。キングスカイフロントの企業誘致は、ほぼ完了して数年たちましたが、この5年間で、臨海部のある川崎区の法人市民税は9億円減少し、10年間で製造業の事業所数は1/3減少、従業員数も1321人減少しています。キングスカイフロントの経済波及効果は、まったく表れていないことが明らかになりました。

分科会では「経済波及効果の税収増は10年間で120億円」という答弁でした。しかし、そのほとんどは固定資産税と都市計画税で誰が土地を持っていようと変わらないので税収増にならないこと。償却資産や羽田連絡道路ができることによる固定資産税の増収分を入れても、建設後、経常的に入る税収増はわずか年間5億円でしかないことが明らかになりました。

一方、市は土地の購入、羽田連絡道路の市負担分、国への融資の利子負担分など総額180億円も税金を投入していることも明らかになりました。年間5億円の税収増では、投入した180億円の税金を回収するのに30年以上かかり、市の税収増につながるのは30年後以降になることも明らかになりました。

大企業が撤退後、企業誘致のために土地購入、基盤整備に莫大な税金投入

この間、臨海部では、大企業がどんどん撤退し、市はその跡地になんとか企業を誘致しようとして、土地を購入して無償提供したり、橋などの交通基盤を整備するなどして、莫大な税金を投入してきました。しかし、このやり方では、必要性が問われるような大規模事業を推進するだけでなく、投入した税金は回収されないままに終わってしまいます。こういうやり方はやめることを強く要望します。撤退を計画している大企業に対して、雇用や地域経済を守る立場から交渉することを強く要望します。