むねた裕之
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代表質問―コロナ患者受け入れ病院は倒産の危機なのに財政支援なし

9月11日、9月議会で日本共産党は代表質問を行いました。そのなかの「新型コロナ感染防止対策・医療提供体制・財政支援」について、その質疑を以下に紹介します。

【質問】

コロナ患者受け入れ病院の累積赤字3億6000万円で倒産の危機

医療機関の経営状況についてです。

コロナ患者受け入れ病院の経営状況は深刻です。ある病院は、市からの要請があり、4月に市から依頼を受けた患者を受け入れるために設備を改造し一般患者とは別の動線を設け、一般病床を16床停止して、感染疑いのある方を受け入れるための8床の病床を確保しました。これに対応するための病床確保や設備諸経費などに1億円以上かかっていますが、国、県、市からは、それに対する財政支援は8月末の時点で1円も出ていません。5月に請求した設備改修費1000万円も出されておらず、病床確保するための空床補償もいまだに1円も入ってきていません。4月から7月までの累計赤字は3億6000万円となり、何とか職員に夏のボーナスを出すために銀行から借り入れをしましたが、返せる保証はありません。まさに、コロナ患者受入れ病院は、倒産の危機に瀕しています。

市の要請に答えたのに市からの財政支援は1円もなし

6月議会でも指摘したように、川崎市は、患者受け入れをお願いしておきながら、市独自のお金は1円も出していないのです。また、全日本病院協会の調査でも示しているように、患者受け入れ病院以外でも月1000万円以上の赤字が出ています。川崎市は、県や国からの支援を待つことなく、市の独自予算で早急に医療機関への減収補填をすべきです、市長に伺います。

【答弁】

神奈川モデル協力医療機関に対する本市の支援につきましては、準備が整ったメニューから申請を受理し、支払いの手続きを進めているところでございます。

また、国及び県に対しましては、今月2日の3政令市共同の県知事への要請をはじめ、あらゆる機会を捉えて医療機関への支援等について、緊急要請や提言を行ってきたところでございます。

この間、国におきましては、無利子・無担保の融資の拡充や、診療報酬の概算前払いなど、財政支援が拡充されるとともに、県の補正予算案において、国からの交付金を活用し、新たな融資制度の創設等を計上したと伺っております。

今後とも、国・県・市においてそれぞれの役割を果たしながら、地域医療を支えてまいりたいと考えております。

【再質問】

医療機関への財政支援について「融資の活用を」と答弁

コロナ患者受け入れ病院の実態を示し、「早急に医療機関への減収補填をすべき」と質問しましたが、国や県の融資の活用をという答弁でした。しかし、病院は一般の企業とは違います。いつもぎりぎりの状態で経営しています。例に挙げた病院もボーナスを出すために3億円銀行から借りましたが、さらに足りなくなり累計で7億円の借金をしています。「どうやって返済するのか、全く見通しがつかない」ということでした。今は借りて何とかなるかもしれませんが、将来的に借金返済で経営が立ち行かなることも十分にあります。

病院の減収分は、本来、行政側が負担すべきもの

この借金は、行政側からの要請を受けて対応した結果減収となり、やむを得ず借りたもので、自己負担すべきものではないはずです。要請した側が負担すべきと思いますが、市長に伺います。

【答弁】

県で施設・設備整備補助、空床補償等について、支払い手続きを進めている

次に、神奈川モデル協力医療機関への行政からの要請に際しましては、新型コロナウィルス感染症に係る医療提供体制の構築のための支援の実施を御説明しておりまして、本市の支援とは別に、県において支援の主力である施設・設備整備補助、空床補償等について、支払い手続きを進めていると伺っております。

今後とも、国・県・市においてそれぞれの役割を果たしながら、地域医療を支えてまいりたいと考えております。