むねた裕之
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代表質問―施設・集団で1人でも感染者が出たら全員検査を!

9月11日、9月議会で日本共産党は代表質問を行いました。そのなかの「新型コロナ感染防止対策・PCR検査」について、その質疑を以下に紹介します。

【質問】

新型コロナ感染拡大防止についてです。

PCR検査について、市長に伺います。

市の感染状況は政令市で4番目に多く第一波の2倍

川崎市の新型コロナの感染状況は、依然、深刻です。政令市の10万人当たりの感染者数は、8月21日時点で、福岡市、大阪市、名古屋市に次いで4番目。8月中旬以降では、新規感染者数は、1日30人を超える日もあり過去最多を更新し4、5月のピーク時の約2倍となっています。7月、8月、市内では医療機関、学校、保育園など公的施設での感染者が相次ぎ、医療機関での院内感染、大学の運動部などでクラスターが発生しました。

施設・集団で感染者が出てもPCR検査は濃厚接触者のみ

感染者が出た学校や保育園では、多くの子供たちが濃厚接触者ではないという理由で自宅待機となっています。市内の大学の運動部のクラスターでは、大学側は部員や寮の全員検査を要求しましたが、市は一部の検査にとどめました。このように施設で感染者が出ても検査を行っているのは、主に濃厚接触者のみです。濃厚接触者の定義では「1m以内、15分以上接触した場合」となっていますが、マスクをしていた場合、対象にならないなど、濃厚接触者対象の追跡調査は、感染者の記憶に頼り、しかもあまりにも限定的です。これでは多くの無症状感染者が調査から漏れてしまうなど、感染拡大を抑えることはできません。実際、新宿歌舞伎町のホストクラブで発生したクラスターでは、そこで働いていた従業員がほかの店で働いていて発症し、他の店へクラスターを広げています。これを抑えるためには、濃厚接触者以外にも検査を広げ、その施設、職場やフロアーにいる人全員を対象にする必要があります。

国「濃厚接触者に限らず幅広く行政検査を」、県「集中検査を」

8月7日、厚労省は「事務連絡」で、「自治体の判断により、現に感染が発生した店舗等に限らず、地域の関係者を幅広く検査することが可能」、「集団、組織等に属するものに対する行政検査については、濃厚接触者に対する検査とは別のものとして行政検査を行うことが可能」との見解を示し、神奈川県も「感染リスクの高い場所や人については濃厚接触者以外にも検査対象を拡大する集中検査を行う」としました。これを受けて厚木市では、8月14日、小学校の教員の感染者が出たために、全校児童495人への検査を実施しました。このように学校、施設、職場で感染者が出た場合、濃厚接触者に限らず、そのクラス、フロアーにいる全員を対象にPCR検査を行うべきと思いますが、市長に伺います。また、市内でそういう検査を実施した事例があれば伺います。

【答弁】

はじめに、濃厚接触者以外への検査につきましては、クラスターの発生や施設の特性などを考慮した上で、濃厚接触者の定義の範囲を越えて検査を行う必要性があるものと認識しております。

本市におきましても、感染りスクが高い集団生活を行う施設で患者が発生した際に、疫学調査を行った上で、感染拡大防止のために検査対象を拡大した事例がございます。

【再質問】

感染リスクの高い施設・集団については全員検査を

 濃厚接触者以外の検査について、「定義の範囲を超えて検査を行う必要性」があり、「感染リスクが高い集団生活を行う施設では市でも「検査対象を拡大した事例がある」という答弁でした。川崎市でもある小学校で感染者が出た際にクラス全員を対象にPCR検査を行ったということです。しかし、学校によって全員検査を行った場合とそうでない場合があるとのことです。ある幼稚園の園長は、「感染者が出た場合、市からの説明もなく、どうしたらよいかわからない」という声がありました。国や県からも感染リスクが高い施設に対しては、「行政検査、集中検査を行う」としているのですから、全員検査の実施を明確にするべきです、市長に伺います。

【答弁】

答弁「濃厚接触者の範囲を超えて、検査が必要な方に確実に実施」

施設等で感染者が出た場合の検査につきましては、クラスターの発生状況や施設の特性などを考慮した上で、濃厚接触者の定義の範囲を越えて、検査が必要な方に確実に実施してまいりたいと存じます。

【最終意見】

集団で感染者が出たら全員検査を

施設や集団で感染者が出た場合の検査については、「濃厚接触者の範囲を超えて、検査が必要な方に確実に実施していく」との答弁でした。市内でも小学校で感染者が出た場合にクラス全員を対象にPCR検査をしたように、集団において1人でも感染者が出た場合は、その集団や、クラス、フロア―における全員検査を実施するよう要望します。