むねた裕之
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一般質問―橘樹官衙遺跡群の整備について

6月26日、むねた議員が、「橘樹官衙遺跡群の整備について」一般質問を行いましたので紹介します。

●質問

橘樹官衙遺跡群の整備について、教育次長に伺います

・国史跡・橘樹官衙遺跡群の整備基本計画が昨年発表され、今後10年間の短期計画を第1期・第2期・第3期に分けて整備を実施するとのことで、第1期の橘郡家跡伊勢山台・蟻山ゾーンについて伺っていきます。

・まずスケジュールについてですが、整備計画では2019年~21年度という予定ですが、

整備の進捗状況と遅れているのであれば、その理由を伺います。

●答弁

租税として納められた稲などを保存した正倉の復元を含む短期計画第1期につきましては、令和元年度からの基本設計、実施設計を経て、令和3年度の整備完了を計画し、文化庁との調整を行っていたところでございます。

文化庁との調整では、正倉の復元は全国的に事例のない時代の建物復元となり、歴史的・技術的根拠を明確にするための事前準備に時間を要することや、文化庁の復元検討委員会においても慎重な審査を要すること等の助言を受けたところでございます。

これらを踏まえ、現地の発掘調査を追加で実施するとともに、建物復元整備等の保存整備工事につきましても、令和4年度に繰り下げて着手することとしたものでございます。

●質問

・「正倉の復元は全国的に事例のない時代の建物復元」ということで事前準備に時間がかかり、整備工事はR4年度からということです。

(ディスプレイ)中宿遺跡(なかじゅく埼玉県深谷市)

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・この地区の主な整備内容は、復元建物を含む遺構の整備として、正倉の復元とありますが、

「遺構の整備」「正倉の復元」について、どのような意義があるのか、伺います。

●答弁

遺跡群は、地方官衙の成立から廃絶に至るまでの経過をたどることができる貴重な遺跡でございまして、昨年1月には、整備に関する基本計画を策定し、計画的な取組を進めているところでございます。

遺構に関する整備につきましては、遺跡群の内容や歴史的価値をわかりやすく伝えることなどを目的として、建物の復元や、柱の位置の立体表示等の整備を計画しております。

また、正倉の復元につきましては、橘樹官衙遺跡群のシンボル的な役割を果たすとともに、過去と現在が結びつく川崎の古代史を体感でき、周辺に所在する歴史的資産と合わせ多くの人々が訪れる憩いや賑わいの場となることも目指すものでございます。

●質問

・先ほどの答弁にもあったように、ここの正倉は「全国的に事例のない時代の復元」ということで、飛鳥時代以前の正倉の復元は全国で初めてということです。全国的にも注目されている復元だということです。

・整備計画の目的として、「広域的な視点で史跡の理解ができるよう、眺望を活かしたり、散策路として楽しめ、安全・快適に見学ができるよう整備する」として、「説明板・案内板等の設置」とあります。

説明板・案内板について、大型の説明板、案内板をどこに設置する予定なのか、最寄りの駅やバス停に設置を考えているのか、伺います。

●答弁

説明板につきましては、橘樹官衙遺跡群全体の概要や歴史的価値等を説明する大型の説明板のほか、遺構の特徴等に関する中型の説明板等を史跡内に設置することを検討しております。

また、案内板につきましては、史跡へのアクセスや史跡内のスムーズな移動が図られるよう、適切な場所に設置していくとともに、駅やバス停等につきましても、今後、土地所有者等との相談や調整を行ってまいりたいと考えております。

●質問

・特に武蔵新城駅や溝の口駅、小杉駅からも、案内、アクセスしやすいように、鉄道駅やバス停への案内板や説明板の設置をお願いします。

・基本計画では、「史跡が所在する地域全体の歴史的・文化的価値を来訪者に周知できる施設として、ガイダンス施設を整備する」としています。

ガイダンス施設について、どのような機能を持ち、当面、いつ頃、どこに整備する予定なのか、伺います。トイレは整備されるのか、伺います。

●答弁

ガイダンス施設につきましては、展示・学習機能や、案内・広報機能、地域交流及び管理運営の機能を持った拠点施設として整備する予定でございます。

整備基本計画では、令和4年度に基本設計、 5年度に実施設計、 6年度に整備工事と位置づけているところでございまして、引き続き、詳細な施設の機能や内容、設置場所等について検討を進めてまいりたいと芳えております。

また、トイレの設置につきましては、遺構の保存に十分配慮しつつ、地域の皆様等との十分な協議を行いながら、検討してまいりたいと考えております。

●質問

・ガイダンス施設の場所は、まだ未定ということが、4年後から工事が始まるということです。ぜひ、この施設が児童生徒の学習・見学の場所として生かされるよう市内小中学校とも連携して利用を進めることを要望します。

・今回の整備の中に、ARシステム、VRコンテンツとありますが、

ARシステム、VRコンテンツとはどのような機能で、どこで、どのように利用するのか、伺います。

●答弁

AR等につきましては、古代の橘樹官衙遺跡群の施設や発掘調査現場の様相を仮想的に体験していただくものでございまして、多様な来訪者が遺跡群の歴史的・文化的価値を学び、楽しめるような機能が望ましいと考えております。

導入に際しましては、他都市の先進的な事例や有識者等からの御意見を参考にしながら、史跡やガイダンス施設での学習や体験効果が十分に得られるよう、遺構やガイダンス施設の整備に併せて効果的な利用方法を含めた検討を行ってまいりたいと考えております。

●要望

・ベンチ、休憩所、展望スペース、多目的広場などの便益施設については、景観への配慮を行ったうえで、動線付近や眺望景観から見てよいと思われる場所などを中心に配置をお願いします。

・駐車場については、原則、史跡指定地内に設置することはできないとされていますが、障碍者等が来訪した際の駐車スペースの確保はお願いします。