むねた裕之
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日米地位協定について

沖縄や全国各地での米軍機墜落事故、米兵による犯罪などが相次いでいますが、このような苦痛や犠牲を住民に押し付けてきた最大の原因は、日米地位協定です。今年7月27日、全国知事会は「日米地位協定を抜本的に見直し、航空法や環境法令などの国内法を原則として米軍にも適用させる」ことなどを盛り込んだ「米軍基地負担に関する提言」を全会一致で採択しました。

日米地位協定は、1960年に締結されてから、一度も改訂されたことがなく、日本政府が改定交渉を提起したこともありません。この協定により、米軍関係者の事件・事故で刑事責任を問うことができず、米軍犯罪についても十分な調査や原因究明は行えず、被害者へ賠償もまともに行われていません。基地内で環境汚染が発覚しても、米軍に立ち入りを拒否され、基地外での事故現場にも日本の捜査機関は立ち入ることさえできません。住民が危険を訴える訓練を止めることもできません。2016年12月、米海兵隊のオスプレイが名護市の海岸に墜落した際、沖縄米軍トップの司令官が「パイロットは、住宅、住民に被害を与えなかった。感謝されるべきだ」と暴言を吐き大問題となりましたが、このような「占領者意識」の根底にあるのも日米地位協定です。米軍が駐留しているドイツやイタリアでは、受け入れ国が基地の管理権を確保したり、自国の法律を米軍に適用したりしており、日本のような地位協定は世界から見ても異常です。全国の自治体からも日米地位協定の改定を求める意見書・決議が上がっています。