むねた裕之
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四方嶺住宅跡地は売却ではなく、避難場所、保育園、スポーツ公園など市民のために

 

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18年第1回川崎市定例会が、2月13日から3月16日まで開かれ、宗田議員は、予算審査特別委員会で、市営四方嶺住宅跡地利用について質疑を行い、「跡地は、民間に売却せず、避難場所、保育園、スポーツ公園など市民のために使うこと」を要望しました。

 四方嶺住宅跡地は、川崎市で最大の未利用地ですが、2016年7月の基本方針で市有地の4分の3を民間に売却するという計画が出されていました。この問題では、地元蟹ヶ谷では有志の会が結成され、3回の住民説明会が開催され、「民間に売却しないでほしい」、避難場所、保育園、スポーツ公園などの要望が出され、4500筆もの署名が集まっています。また、地元18町会・自治会からも市長へ要望が出されています。

避難場所

豪雨災害時、矢上川を渡るのは危険

 宗田議員は、蟹ヶ谷地域の危険地域の指定について質問。総務企画局長から「洪水浸水地域、急傾斜崩壊危険区域、土砂災害警戒区域に指定されている」と答弁。さらに宗田議員は、避難所の東橘中は浸水区域になっていることを指摘し、多くの地域の方から「豪雨災害の時、お年寄りがあの急坂を下って、溢れそうな川の橋を渡って、浸水の危険がある東橘中まで行くことはとてもできない」という声が出ていることを紹介して、「だからこそ、四方嶺住宅跡地に避難場所をという要望が出ている」と指摘しました。

計画の公園(0.1ha)に避難できるのは、わずか500

基本方針の「災害時の避難場所としての公園」の避難者収容人数について質問、答弁は「500人程度」ということでした。「蟹ヶ谷地域8600人の避難場所としては、0.1haの公園ではあまりにも狭く、より多くの避難場所の確保が喫緊の課題であり、この跡地を活用すべき」と迫りました。

認可保育園

蟹ヶ谷保育園に入所できなかった児童39

 宗田議員は、この地域で唯一の認可保育園である蟹ヶ谷保育園の入所保留数について質問。こども未来局長は「内定とならなかった児童の人数は、39人」と答弁。宗田議員は「高津区の入所保留数は、662人もいて、中原区に次いで全市で2番目に多い」ことも指摘しました。

国有地の売却で人口1000人以上増加の可能性

 宗田議員は、隣接する国有地(1.5ha)の跡地利用について質問。まちづくり局長は「平成30年度以降、売却するための手続きを進めると伺っている」と答弁し、民間に売却されて大規模なマンションの建設も考えられることが明らかになりました。

 宗田議員は、以前の国有地の公務員宿舎でも226戸であったことを考えると国有地だけでも700~800人の人口増となり、四方嶺住宅跡地に低層住宅が建つとしても人口は合計で1000人以上増え、学校の教室も保育園も足りなくなる可能性があると指摘しました。

「認可保育園の増設」と「国有地の売却状況をみて判断」を要望

 宗田議員は、今回の「市営四方嶺住宅跡地利用に関する基本方針について」では「小中学校の教室不足も懸念されるため、過大な住宅供給とならない配慮は必要」と述べていること、住民説明会でも「これ以上、住宅を増やさないで」「避難場所も保育園も足りなくなる」という声があることを紹介し、「跡地に認可保育園の増設を要望するとともに、せめて国有地の売却状況を見てから判断すべきこと」を要望しました。

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(写真)仮設グランド

スポーツ公園

仮設グランドがなくなればスポーツの練習は半減に

 宗田議員は、現在、跡地の仮設グランドを利用しているスポーツ団体は9団体あり、住民説明会では、その団体の方々から「スポーツの練習ができる公園を」という要望が出ていることを紹介し、「高津区で野球などの練習ができる公園」について質問。建設緑政局長は「全て多摩 川河川敷に」あると答弁しました。

宗田議員は、多くの団体から「この地域から多摩川河川敷まで練習に行くには遠すぎて、利用できない」という声を紹介。「この仮設グランドが使えなくなると、現在使えるのは東橘中と子母口小の合築校舎のグランド1か所だけ」となり、「子母口小のグランドは小さく、野球などの試合はできず東橘中はほとんど部活で使われ、そこを借りられるのは月1回くらい」になることを紹介し、「練習できる機会が半減する」と指摘しました。

跡地に0.25haのスポーツ広場を

 宗田議員は、「多くのスポーツ団体が利用しており、練習場所が慢性的に不足」していること、「仮設グランドの広さは0.29haあり、高いネットも設置されており、仮設グランドを使っているスポーツ団体の方々から「最低でも0.25haのグランドが必要」という要望が出ていることを紹介し、スポーツ公園の新設を要望しました。