むねた裕之
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一般質問①-四方嶺住宅跡地は売却ではなく、市民のために!

四方嶺跡地・写真

 

四方嶺・地図

蟹ヶ谷地域の丘の上にある四方嶺住宅跡地の利用について、市は昨年8月、ほとんどの土地を民間に売却して宅地にするという計画を発表。地元住民から「市民の土地を売却せず、市民のために使ってほしい」という署名運動が行われており、宗田議員は第2回川崎市議会定例会の一般質問でこの問題を取り上げました。

国有地も売却で人口1000人以上増加―学校の教室不足に

宗田議員は、3回の住民説明会が開催され、延べ200人以上の住民の方が参加し、この計画について疑問視する意見や多くの要望が出されたことを紹介。売却予定の隣の国有地と合わせた場合、どれだけの面積をどんな用途で売却されるのかを質問しました。財政局長は、「売却予定の市有地は1.3ha、国有地は1.5haで合計2.8haとなり、用途地域は第一種中高層住居専用地域」と答弁。川崎市でも最大の未利用地が、売却されて宅地となり、少なく見積もっても人口は1000人以上増え、若い世帯が中心に住むとなると年少人口は200人を超える可能性が大きいことを明らかにしました。これでは、小中学校の教室や保育園も足りなくなり、「小中学校の教室不足も懸念されるため、過大な住宅供給とならない配慮は必要」という基本方針とも矛盾することになります。

保育園の待機児童数は市内2番目-認可保育園の増設が必要

宗田議員は、住民説明会では「今でも認可保育園に入れない人も出ている」という声も紹介し、高津区の認可保育園の待機児童数(入所保留数)を質問。こども未来局長は「4月時点での入所保留数は736人で7区のうち2番目に多かった」と答弁、最寄り駅近くにも認可保育園の開設予定はないことが明らかになりました。宗田議員は、「保留児童数で高津区は行政区で2番目に多く、地域的にも現在、保留数は91人も出ていて、これからさらに国有地の宅地増で保育所不足は深刻になる。特養ホームの増設が必要というなら、同じ理由で認可保育園の増設も必要」であることを訴えました。

仮設がなくなれば野球、サッカーの練習試合は年8回のみに

住民説明会では、跡地の仮設グランドを使用している団体から「スポーツができる公園を」という要望が出ており、宗田議員は「高津区で野球、ソフト、サッカーなどの練習できる公園はどこにあるのか」と質問。まちづくり局長は「すべて多摩川河川敷に」あると答弁。宗田議員は、多くの団体が「この地域から多摩川河川敷まで練習に行くには遠すぎて、利用できない」という声を紹介しました。

現在、跡地の仮設のグランドを9団体が利用していますが、この仮設グランドが使えなくなると、現在使えるのは東橘中と子母口小の合築校舎のグランド1か所だけとなること。しかも子母口小のグランドは小さく、野球、ソフトなどの試合はできず、東橘中のグランドだけとなりますが、中学校のグランドはほとんど部活で使われ、そこを借りられるのは年に8回のみになること。あるソフトボールの団体は、7チームで構成していますが、仮設がなくなると、試合の練習ができるのは月1回もできなくなり、別の団体は、仮設がなくなると月3回使っていたのが1回のみになることを紹介し、「住民みんなが使えるスポーツ・球技の練習ができる公園を作るべき」と要望しました。

「財政が厳しいから」という売却理由に対し「政令市で最も豊か」と反論

住民説明会で一番多かった「なぜ、民間に売却するのか?」という質問に対して、行政は「財政が厳しいから」という回答でした。これに対して宗田議員は、川崎市の財政状況について意見を述べました。

現時点での川崎市の財政については、「人口増で市税収入は4年連続過去最高。財政力指数は、政令市トップで地方交付税が交付されない唯一の政令市であり、市の貯金(減債基金)は2244億円と他の政令市の2倍」あるなど「政令市で最も豊かな財政状況」であること。

将来的にも「市の人口は13年後まで増え続け9万人も増加し、その間、市税収入は増え続け、19年度以降、収支はずっとプラスになる。減債基金は毎年100億円積み増しをして、8年後には3000億円にもなる」ことを示し、「川崎市の財政は現時点でも、将来的にも厳しいという状況ではない」と反論しました。