むねた裕之
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沖縄・高江のヘリパッド問題ーこのやり方は民主主義国家とは言えない!

1月26日、総務委員会にて、陳情第64号「沖縄県議会の「米軍北部訓練場ヘリパッド建設に関する意見書」を支持する意見書提出に関する陳情」についての質疑が行われました。残念ながら他党の賛同を得られず、意見書の提出とはなりませんでしたが、私の質疑の内容(大要)を紹介します。

 

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(*番号が質問)

・答弁が議会局で、所管ではないということなので、意見書の内容に限定して質問しますので、わかる範囲で答えてください。

沖縄県民・地元住民の民意

・辺野古新基地予定地の地元名護市の市長選で新基地建設反対の稲峰さん、県知事選で建設反対の翁長さんが首長に/衆議院選挙では、沖縄1区から4区まですべて建設反対の議員/参議院選挙では、やはり建設反対の伊波さんが大差で自民党現職閣僚を破った

・2013年1月、沖縄県内31市町村すべての首長や議会議長、県議会議員らが普天間基地の閉鎖と移設断念、オスプレイ配備撤回を求めて「建白書」に署名し政府に提出

① 東村高江区の住民の反対運動はいつごろから?

答弁・・1996年、SACO合意に対して高江区の総会で反対する決議/2006年にも決議されるが2007年から工事着工/その時から地元住民の座り込みによる阻止行動が開始され9年に

・琉球新報での東村高江区アンケートでは、ヘリパッド建設に「反対」が80%、「どちらでもない、わからない」が20%、賛成は一人もいなかった/沖縄県民、地元住民の民意は明らか

オスプレイパッド建設

② 資料3の地図で東村高江はどの位置?新設されるヘリパッドのうち建設済はどれですか?

答弁・・(地図で示す)N42か所をまず完成し、昨年12月にその他の4か所を完成

・新設のヘリパッド6か所は、高江区の集落を取り囲むように建設/N4(2か所)が一番早く完成し高江集落のすぐ近く

③ 意見書で「オスプレイパッド建設」とありますが、オスプレイ用のヘリパッドはどれですか?

答弁・・どれがオスプレイ用かというのは指定されていない。

・N4地区、そこにオスプレイが配備されたと報道/意見書にあるように、米軍はオスプレイの配備を隠し続け、建設直前にわかったが、政府は黙認

・昨年7月の沖縄県の意見書に「オスプレイの欠陥・危険性」について/その直後の12月にオスプレイが沖縄に墜落/2012年、モロッコ、フロリダでの墜落事故があり、2015年にはハワイで墜落事故/米本土やハワイでは飛行訓練が中止されているほど

・地元住民はオスプレイが配備されるとは知らなかったのに、いきなり配備され、昨年事故が起こった/住民の不安は大変なもの

地元住民の被害

④ 地元住民の被害について、どんな報告がありますか?

答弁・・報道、沖縄防衛庁の測定では、オスプレイ配備後に騒音被害が急増している

・マスコミでは、オスプレイ配備後、急激に騒音発生回数が増えていると報道/沖縄防衛局の測定データでは、N4地区の昨年6月の夜間騒音発生回数は383回、14年度の月平均16.2回の24倍/昨年のその時点では、6か所のうち2か所のみの運用でもこれだけの被害が出ている/マスコミ報道では、「東村の小中学校では夜間の騒音の影響で睡眠不足になった生徒らが欠席する例も出ている」

・アメリカ本国では、こういう人的被害の報告はない/それは、オスプレイは住民地区を飛行しない措置が取られている/さらに、自然の動植物への影響でオスプレイの飛行訓練が回避されている

環境被害

・意見書には「アセス」「環境保全」の問題があります/この地域は、山原にしか生息しないノグチゲラの生息地/琉球大学と広島大学から反対、の声や要望書が出ている

・日米間では「環境原則に対する共同発表」という合意があり、「日本環境管理基準に従う」ことが明記、2000年から「本格適用」とされている/この調査もやられていない

住民の強制排除

・意見書にあるように「県外から多くの機動隊、自衛隊を動員」し、住民を暴力的・強制的に排除したとありますが、

⑤ どのくらいの機動隊が動員され、どういう対応をしたのか?

答弁・・神奈川県警、千葉、大阪などから約500人が動員されたと報道

・全国から機動隊500人、地元の機動隊を合わせると800人態勢で/高江の集落140人のところに800人が/いつからかというと、昨年の参議院選投票日の翌日、全国から機動隊を大量投入し、唯一の生活道路、県道70号線を封鎖し、9年間も反対運動を続けてきた住民を強制排除して、ヘリパッド建設を強行

まとめ

・9年間も反対運動を続けている住民に対し、わずか140人の集落に対して、800人もの機動隊員を動員して住民を強制的に排除した対応は、民主主義国家とは言えないもの/住民の被害、環境への被害を無視し、民主主義と地方自治の精神を踏みにじる行為

川崎市との関連

・今年は首都圏、横田基地にもオスプレイが配備され、千葉の木更津には、アジアで唯一のオスプレイ整備拠点ができる/神奈川の厚木基地で離着陸訓練が実施されている/米軍の「環境審査報告」では年間330回の低空飛行訓練が計画されており、その訓練拠点は厚木、横田などの米軍基地を使用するとしている。

・沖縄と同じように、川崎市の上空をオスプレイが飛ぶ可能性が高い/アメリカでは住宅地の上空を飛ぶことは禁止されているのに/沖縄と同じように騒音、墜落の危険性も増大する

・川崎市も他人事ではない