むねた裕之
むねた裕之むねた裕之

熊本地震被災地視察ー益城町の98%の建物が損壊

clip_image002

 

10月24,25日、共産党市議団で4月の地震の被災地である熊本を視察しました。1日目は益城町役場でレクチャー後に南阿蘇村、西原村を視察、2日目は熊本県庁でレクチャー後に熊本市東区、益城町の被災現場を視察しました。特に、亡くなった方が多く出た南麻生村の東海大学とがけ崩れで崩落した橋の現場には、多くの方が訪れ、花が飾ってありました。

 

clip_image004

益城町の現状と課題

clip_image006

震度7の地震を続けて二度も経験した益城町の現状は深刻でした。建物の98%が全壊、半壊、一部損壊の被害があり、町内の状況はすさまじいものがありました。町民34000人のうち16000人以上の方が避難され、いまだに避難所にいる方が90人以上いて、この方々の行く先が課題となっています。当時は、職員の手が足りず、避難所での対応や罹災証明書など各種の交付に手が取られ、この2か月間2交代で休みなしに働き体を壊した職員の方も出ています。発災当時、実態の把握に苦労し、地域コミュニティーを作っておくことが重要だと話されていました。

熊本県の現状と課題

熊本県庁では、当時、県の災害対策本部の指揮を執った危機管理防災企画監の方から、次のような教訓が話されました。

良かった点としては、

① 指揮系統が確立し、役割分担が明確だった

② 各種地図が準備されており、災害の状況把握や実働部隊の統制ができた

③ 各種書類が準備されており、不慣れな職員でも迷わず処理できた

④ 災害時のタイムスケジュールや時系列に記録することで、混乱なく対応できた

改善する点としては、

① 災害発生後の行政事務訓練の実施(応急危険判定、罹災証明など)

② 避難所位置の見直しと各避難所担当の住民リーダーによる運営

熊本市の現状と課題

●避難者数が想定58000人を大きく超え、11万人になり、行政が把握しきれない避難所が多数。車中泊の避難者は最後までつかめず、物資の支援や人的支援、情報の取得で大きな格差が生じた。

●避難所運営については、運営マニュアルが徹底されておらず、リーダー的存在がいるかいないかで大きな差が生まれた。

●福祉避難所は、職員自身が被災し、近隣住民の避難所にもなり機能しなかった。

●指定管理者や民間委託となっている施設は、契約書に災害時の規定がなく、避難所として活用できず。

●支援制度については、一部損壊世帯について支援制度がなく、液状化被害や擁壁被害については支援制度はあるが要件が厳しく活用しずらい。

●マンション被害への対応については、避難しており連絡がつかない住民が多いマンションや管理組合が機能していないマンションは、再建に踏み出せない。

西原村の仮設住宅も視察してきました。

clip_image008