むねた裕之
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川崎市の財政ー減債基金(貯金)は10年後には3000億円、一般会計の約半分に!

一般質問で、市の財政で問題になっていた減債基金について取り上げました。

以下の紹介します。

 

減債基金について

議会では、減債基金からの借り入れが問題になっています。

(過去3年間の減債基金からの借入れ―借り入れる必要なかった)

・次のディスプレイを見てください。

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この棒グラフは黄色が積立金と青色が取崩額で、折れ線グラフは減債基金残高です。

まず、2014年度(H26)、本当に減債基金から借り入れる必要があったのでしょうか?

2014年度は、減債基金への積立金と取崩額の差額、156億円を積立してから、収支不足分32億円を減債基金から借入れをしました。

(質問)

なぜ、収支不足が出ているのに、わざわざ減債基金に積み立てをしてから基金から借り入れる形をとるのか?

(答弁)

減債基金からの借り入れによる収支不足への対応は、厳しい社会経済環境の中で、市民の皆様にとりまして必要なサービスを継続して提供するための臨時的な措置でございます。

こうした対応を取らざるを得ないといった状況を、よりはっきりと見える形でお示しすることが、財政運営の透明性を確保するうえで、大変重要であると認識しているところでございます。

「よりはっきり見える形で」という理由でしたが、同じ市の財布の中で貸し借りをするほうがわかりづらい。

減債基金からの借入れが始まった2012年度も同様で、収支不足が67億円あるのに、209億円も多く積み立ててから借入れ/13年度も、収支不足が27億円あるのに127億円積み立ててから借入れをしています。

こういう方式をとらなくても、この3年間、すべての年度で、収支不足分を積立額を減らして調整をすれば減債基金からの借入れはしなくて済み、それでも減債基金は327億円も増額されます。(以前はこういう方式をとっていた)

(質問)

借入れしない方法をとると罰則があるのですか?

(答弁)

減債基金からの借り入れを行った場合、あるいはルール通りの積み立てを行わなかった場合、いずれの場合におきましても、積立不足額の存在や将来の返済原資の不足が数値に影響を及ぼすことから、実質公債費比率や将来負担比率等の指標が悪化することになります。

・要するに、借入れをしない方法をとっても「罰則はない」ということがわかりました。

・19年度から収支はプラスに転じます。18年度までの収支不足分を減債基金の積み立て分を取り崩してあてたとしても、減債基金は10年後には最低でも2500億円以上になる見込みです。

・減債基金からの借り入れはするべきではないと、これだけ議会で問題になっています。

・しかも借入れしなくても、罰則はなく、減債基金は、これからどんどん積みあがっていくわけですから、借り入れる方法をやめるべきです。

(減債基金の将来推計について)

・減債基金は、現在の方法で積み立ていくと2025年度、3040億円をピークに少し減りますが、2030年までの推計を見ると2800億円を維持していきます。

(質問)

今のペースでやっていくと10年後から15年後にかけて2800億円程度で平準化するということですね?

(答弁)

現時点の見込みにおきましては、当面の間、積立額が取崩額を上回り、残高が増える状況にございまして、10年後の平成37年度には、3040億円程度になるものと推計しているところでございます。

その後、平成38年度以降は、積立額を上回る取り崩しが必要になる年度も出てくる見込みでございまして、15年後の平成42年度には、2827億円程度になるものと推計しているところでございます。

・人口が3倍の横浜市の減債基金は1000億円なのに、川崎市は現在1800億円。将来2800億円にもなり一般会計の約半分に達します。

(結論として)

●収支がプラスに転じるまでの今後3年間も減債基金からの借入れという方法はとらないで対応できること

●減債基金は、現在の方法でも、将来的には2800~3000億円に達することが明らかに

●本市はこれだけの基金(貯金)があるのに、減債基金からの借入れを理由に「財政が厳しい」という理屈は市民には通らないし、行革の理由にもなりません。

このことを指摘しておきます。