むねた 裕之

宗田 ひろゆき
日本共産党川崎市議会議員(高津区)
携帯日記

川崎市臨海部・脱炭素―2035年までに電力部門の脱炭素化で、再エネ、省エネ、製造業の企業誘致を!

2022年6月22日

6月15日、日本共産党は代表質問で「臨海部の脱炭素戦略について」を取り上げましたので、いかに紹介します。

◎質問

臨海部の脱炭素戦略について、市長に伺います。

 昨年、国連気候変動枠組み条約、第26回締約国会議(COP26)が開催され、世界の平均気温上昇を「1・5度に制限する」ことを確認しました。これを実現するために、日本政府、各自治体はCO2削減に向けた脱炭素戦略の早急の見直しが求められています。

川崎市の課題についてです。

 世界的な流れとして、国際エネルギー機関(IEA)は、そのためにはCO2排出量の4割を占めるエネルギー転換部門、発電部門を最優先に削減させる必要があるとして、2035年までに先進国のすべての電力部門の電気をCO2排出ゼロにするとしました。5月に開かれたG7の声明でも「2035年までに電力部門の大部分を脱炭素化すること」を確認しました。これを実現するためには、川崎市には3つの緊急課題があります。

 第1は、政令市一のCO2排出量の川崎市でも、その約半分を占める発電部門の排出量を2035年までにゼロにすることが求められています。IEAやG7の指針からいけば、発電部門の排出量1600万トンをゼロにする必要があります。

 第2は、臨海部で製造業を続けるためには、安価なCO2フリーエネルギーを早急に供給する必要があるということです。世界的な大企業では、すでにCO2フリーエネルギーで作った部品や製品でなければサプライチェーンから外す動きが強まり、CO2を排出するエネルギーで作る部品や製品の輸出はできなくなる危険性があるということです。

 第3は、脱炭素化に向けて、大規模な土地利用転換が求められるということです。2800haという広大な臨海部のうち、電力、鉄鋼、石油関連の土地が約半分を占めます。石油から再エネへの転換によって、これらの企業の大規模な土地利用転換が必要となります。これらの課題をどのように認識しているのか、市長に伺います。

これらの課題の打開策についてです。

川崎市の水素戦略についてです。

現在、川崎の発電所は天然ガスを燃料としていますが、これを再エネに転換する必要があります。市は、この転換をCO2フリーの水素を輸入して、これを天然ガスに混ぜて発電し、将来的には水素だけで発電することを計画しています。しかし、輸入水素の発電コストは、資源エネルギー庁の試算でも太陽光の発電コストの10倍以上も高く、そのスケジュールでは、50年時点でもCO2を出し続けることになります。IEAやG7が目標としている2035年までにCO2排出ゼロはとても達成できません。これでも輸入水素を燃料に発電する計画を進めるつもりなのか、市長に伺います。

再生エネルギーの世界の主流と臨海部の可能性についてです。

 現在、世界の再生可能エネルギーの主力は、太陽光や風力です。特に太陽光の発電量は、この10年で19倍、そのコストは10分の1となり、需要は急激に拡大しています。

 臨海部の可能性について、2800haという広大な土地があり、電力、鉄鋼、石油関連の再編などで大規模な土地利用が可能となります。わが党が研究委託した試算では、臨海部の建物全面、道路、駐車場、運河などを使い敷地の60%に太陽光パネルを設置。風力発電も増設し、既存のバイオマス発電所を加えると市内の電力使用量の約7割を臨海部で賄えること、臨海部以外の地域の公共・民間施設や住宅、農地などにも太陽光パネルを設置すると市内の電力は100%再エネを供給できることが明らかになりました。エネルギーは輸入に頼らず、再エネは水素戦略一本ではなく、太陽光などを中心とした脱炭素戦略にすべきです、市長に伺います。

脱炭素化に向けた臨海部の企業誘致についてです。

臨海部での土地の再利用計画は喫緊の課題です。また、石油から再エネへのエネルギー転換が予想され、産業も石油関連から再エネ・省エネへと大規模な産業転換が予想されます。これら再エネ、省エネ、蓄電池の関連企業を川崎市に誘致すれば、市内への投資、生産につながり、生産物は市内で消費することになります。作れば作るだけ市内で消費される、企業にとってこれほどのメリットはありません。市は、再エネ、省エネ、蓄電池などの関連企業を臨海部に誘致することを検討すべきです、市長に伺います。

IEA、G7の指針に沿って川崎市が2035年までにCO2フリーエネルギーを今の半額で供給すれば、製造業の誘致の巨大なメリットになります。川崎市は全国に先駆けて「2035年までに再エネ100%供給都市とする」ことを宣言すべきと考えますが、市長に伺います。

◎答弁

2050年の力ーボンニュートラル社会の実現に向けましては、 1EAのみならず、 EUタクソノミーなど、様々な動きがあり、我が国においても、世界的な潮流を踏まえ、グリーン成長戦略の策定やエネルギー基本計画の改定、クリーンエネルギー戦略の検討などが進んでいるところでございます。

本市といたしましても、こうした流れをしっかりと捉えていくことが重要であることから、川崎臨海部を、我が国のカーボンニュートラル化を先導するコンビナートとするため、本年3月に川崎カーボンニュートラルコンビナート構想を策定したものでございます。

次に、水素戦略についてでございますが、首都圏へのエネルギー伊絲合拠点である川崎臨海部が、カーボンニュートラルな社会においても同様の機能を果たしていくためには、発電などの大規模な水素需要を創出しながら、水素等のカーボンニュートラルなエネルギーの供給拠点へと変革していく必要があると考えております。

クリーンエネルギー戦略の中間整理では、水素エネルギーが有力視され、その潜在的需要地の例として本市臨海部が記載されております。さらに、エネルギー関連企業におきましても、既に臨海部で水素の利活用に向けた取組が進められていることから、こうした国や民間企業の取組と連携を図りながら、全国に先駆けたカーボンニユートラルコンビナートの形成に向けた取組を積極的に進めてまいります。

◎再質問

臨海部の脱炭素戦略について、市長に伺います。           【市長】

 川崎市の課題について、発電部門のCO2排出量を2035年までにゼロにすること、安価なCO2フリーエネルギーを早急に供給する必要があること、臨海部で大規模な土地利用転換が求められることについての見解を伺いましたが、市長は「2050年のカーボンニュートラル社会に向けて、世界的な潮流を踏まえて検討する」と、漠然としていて緊迫感が感じられない答弁でした。しかし、世界的には、電力部門について非常に緊急の課題として受け取っています。世界的な流れとして、67%の確率で気温上昇を1.5度に抑えるためには、今後、排出することができるCO2排出量(カーボンバジェット)は世界的には4000億トン、日本の場合64.3億トンしか残っていません。日本のCO2排出量は年間10.4億トンですから、このままでいくと6年余りで尽きてしまいます。だからこそIEAは発電部門の脱炭素化を最優先にして、2035年までに発電部門のCO2ゼロを目指しているのです。

 この打開策として川崎市は水素戦略を掲げて、「発電などの大規模な水素需要を創出する」との答弁でした。しかし、輸入水素は、発電には向かないのです。コストの面でもスケジュール的にも間に合いません。確かに水素の需要は、2040年以降に伸びていきますが、その需要は、航空機や鉄鋼などに限られており、あくまで太陽光や風力による余剰電力を備蓄する手段としての利用が主です。発電部門の主力燃料として水素を利用する国はありません。

IEAや先進国が掲げる「2035年までに発電部門のCO2をゼロにする」という目標は、川崎市でどのように達成していくのか、市長に伺います。

脱炭素化に向けた臨海部の企業誘致についてです。

 「再エネ、省エネ、蓄電池などの関連企業を臨海部に誘致することを検討すべき」との質問については答弁がありませんでした。再度、市長に伺います。

◎答弁

世界では、オランダでの実施計画や、ドイツでの実証実験など、日本企業の優れた技術を活用した水素発電の検討が進められております。我が国においては、昨年10月に改定されたエネルギ一基本計画で、水素が新たな資源として位置づけられ、社会実装を加速していくこととされており、グリーンイノベーション基金事業など、早期の水素発電の実現に向けた取組が進んでおります。本市は、こうした世界や国の動向を踏まえ、川崎カーボンニュートラルコンビナート構想に基づき、全国に先駆けて、水素等のカーボンニュートラルなエネルギーの供給拠点の形成を目指してまいります。

また、川崎臨海部にはカーボンニュートラルに資する技術等を持つ企業が既に多数立地しております。同構想を踏まえ、こうした企業との連携を強化するとともに、関連する技術・機能等を更に集積させることで、カーボンニュートラルコンビナート形成に向けた取組を推進してまいります。

◎意見

臨海部の脱炭素戦略についてです。

水素戦略について質問しましたが、「世界でも実証実験などが進められている」という答弁でした。しかし、発電技術にしても、輸送技術にしても、まだ、未確立で実用化されていません。何より輸入に頼り、コストが高く、国自身が2050年までにCO2ゼロの専焼は難しいと述べているのです。とても2035年までには間に合いません。電力エネルギーは、輸入に頼らず、太陽光中心で地産地消の再生可能エネルギーに切り替え、2035年までにCO2ゼロを掲げること、そのためにも再エネ、省エネ、蓄電池などの関連企業を臨海部に誘致することを要望します。

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