むねた裕之
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川崎市の決算―政令市トップの財政力を新型コロナや防災に!

10月12日、9月議会での日本共産党の代表討論の内容を紹介します。

2019年度 決算の各会計決算認定についてです。

歳入の特徴についてです。

 わが党は、2019年度一般会計決算について、市税収入は6年連続過去最高であり、財政力指数は10年以上政令市トップを続け、5年連続、政令市で唯一の普通交付税・不交付団体となり、財政健全化指標は、極めて優良であることを示し、川崎市は政令市で最も豊かな財政力を持つことを明らかにしました。

 減債基金残高は、2222億円となり、政令市平均の1.8倍。8年後には3100億円を超え市税収入に匹敵するほどになります。3100億円という残高は、他の政令市と比べて1000億円以上多い額であり、過剰な額といっても過言ではありません。

 「収支不足による減債基金からの借入」があるから「財政が厳しい」という理由についてです。収支不足額は95億円ですが、その不足分は、減債基金の積立額450億円を減らして対応すれば、収支不足も出ないし、借り入れる必要もありません。他の政令市もそのように対応するのが普通です。借入累計527億円あるから厳しいという理由もあります。しかし、残高2222億円から、その分引いても残高は1700億円あることになります。この額は取崩額の5年分にもなり、他の政令市と比較して400億円は多い状況です。以上のことから「収支不足による減債基金からの借入」は「財政が厳しい」という根拠にすべきではありません。

 「社会保障費の増大」を「財政が厳しい」理由にしています。しかし、増額分は保育園の増設などどうしても必要な費用であり、増額分のほとんどは国や県からの補助で賄われています。さらに福祉・暮らしの費用である民生費は一人当たりでみると政令市平均より2万円も低い状況です。「福祉の増進」という地方自治体の役割からみても、「社会保障費の増大」を「財政が厳しい」という根拠にすべきではありません。

 このように川崎市は、歳入では市税収入が6年連続過去最高が続き、政令市で最も豊かな財政力を持ち、財政は厳しいという根拠もないわけです。しかも、減債基金は他都市と比べても過大な額となっています。市長は減債基金について「将来の行政需要」のためと答弁しています。そうであるなら、この豊かな財政力を、今最も求められている行政需要である新型コロナ対策や少子化、防災対策など多大な年数と財源が必要な分野に対して、思い切って使うことを強く求めます。