むねた 裕之

宗田 ひろゆき
日本共産党川崎市議会議員(高津区)
携帯日記

臨海部の大型事業に171億円-さらに増額の可能性も

2020年3月16日

3月2日、日本共産党を代表して、宗田裕之が代表質問を行いました。臨海部の大規模事業についての質疑を以下に紹介します。

●質問

臨海部予算は大幅増、2本の橋と埋立で171億円

臨海部の大規模事業についてです。

 新年度の港湾局予算は、一般会計で104億円となり対前年度比34.7%増と大幅に増額され、臨海部の大規模事業を含む臨海部活性化予算は、18億円増の199億円で大幅な増額となりました。中でも羽田連絡道路に88億円、臨港道路東扇島水江町線に54億円、東扇島堀込部埋立に29億円と3事業だけで171億円にも上るなど臨海部の大規模事業の予算が突出しています。

羽田連絡道路88億円―台風で船の航路が埋まり再度の浚渫に30億円

羽田連絡道路についてです。新年度予算では、88億円が計上され、これまでの事業費総額は271億円になりました。19年度補正予算では、羽田連絡道路の橋げた設置のための船の航路が、台風19号で埋まったために、多摩川河川内の浚渫工事費用として30億円が債務負担行為として計上され、新年度予算では、そのうちの21億円が計上されています。

この橋の必要性について、市は「ビジネスや観光の振興」、「就業者の通勤ルート」、「当地区に来る来訪者」ためという答弁でした。しかし、この間の質疑の中で羽田連絡道路の必要性について、全く根拠のないことが明らかになりました。また、この橋とキングスカイフロントの経済波及効果ですが、建設終了後の経常的な税収増は、10年間で約5億円、年5000万円にすぎず、羽田連絡道路の総事業費300億円に見合う税収増も見込めないことも明らかになりました。

 新年度、台風で埋まった土砂を取り除くために再度浚渫をするということですが、これまでに、浚渫のためにかかった費用は19億円にもなります。しかも、全国から船を集めて複数船団でやっても7か月かかりました。それが台風のために無駄になったわけです。浚渫が完了しても橋げたをかけるまでにもろもろの工事が必要となります。今年の台風時期までに間に合うのか疑問です。橋げたの移設時期はいつになりますか、伺います。今後、台風により航路が埋まった場合、再々度の浚渫の可能性はあるのか、伺います。多摩川の浚渫予算についてですが、洪水対策にための浚渫はほとんどありません。多摩川の浚渫は、羽田連絡道路のためではなく、台風の洪水対策のために使うべきです、伺います。

臨港道路54億円、総額980億円-市内の老朽化した橋の改修こそ早急に

臨港道路東扇島水江町線についてです。新年度予算は、54億円で、これまでの事業費総額は570億円になります。この橋は、昨年、耐震設計の見直し、地盤改良の追加等により事業費は540億円から980億円に突然変更され、しかも、議会や市民に知らされる前に、市長が独断で了承したものです。

 この橋の必要性について、市は当初「コンテナ取扱量が30年代後半に年40万TEUになるための輸送力増強」のため、次に「緊急物資輸送ルートの多重化」、「交通渋滞の解消」、「東扇島の労働者の避難路」など、次々と作る理由を挙げてきましたが、その都度、必要性、根拠について説明できず、その根拠はすべて崩れています。

その一方で、築60年以上の橋が市内には10本あり、その7本が架け替えの計画もなく、その他に修繕が必要な橋が市内に165本あり、その総額は620億円です。臨港道路東扇島水江町線の整備事業は中止をし、市民生活に必要な橋梁の架け替え、維持補修こそ早急に実施すべきです、伺います。

●答弁

(羽田連絡道路)

はじめに、橋桁の架設の再開時期につきましては、浚深作業の進捗に関係いたしますので、具体的な時期をお示しすることはできませんが、現在、契約済みの工事も活用しながら、浚深作業の早期完了に向けて取り組んでいるところでございまして、一日も早い橋桁の架設の再開を目指し、最大限、努力してまいります。

次に、更なる浚深の可盲獣生につきましては、今回のように、大量の士砂が堆積し、工事用船舶の安全な航行に支障を来たすような事態が生じた場合には、浚深を行う可能性もあるものと考えているところでございます。

次に、多摩川の治水対策を目的とした浚深につきましては、河川管理者である国が実施するものと考えております。

(臨港道路)

本事業は国の直轄事業であり、国の事業評価監視委員会での審議を通じて、事業の進捗管理がなされるものでございまして、平成31年1月10日の同委員会において、事業費の変更などを含めた本事業の継続が了承されたことから、速やかに議会に報告するとともに、報道発表を行ったものでございます。

臨海部交通ネットワークの・一翼を担う本事業は、川崎港の物流機能を向上させるとともに、災害時におけるりダンダンシーの確保などが図られる重要な事業である認識しております。

引き続き、国際戦略港湾である川崎港の機能強化に向け、関係局と連携し、本事業を推進してまいります。

なお、橋梁の維持補修につきましては、関係局において「川崎市橋梁長寿命化修繕計画」を策定し、可能な限り橋梁の延命化を図れるよう、効率的、計画的な維持管理に努めているところでございます。

●再質問

臨海部の大規模事業についてです。

羽田連絡道路―台風に間に合わなければ再々度の浚渫

羽田連絡道路についてです。

橋げたの架設時期についてですが、「具体的な時期を示すことはできない」という答弁でした。要するに今年の台風時期に間に合わない可能性もあるということです。間に合わなかった場合、「再々度の浚渫の可能性はあるのか」という質問に対して、「可能性はある」という答弁でした。事業費についてですが、17年度に217億円としていたものが、18年度に223億円、19年度に251億円、そして今回271億円と毎年のように膨れ上がり、この2年間で64億円も増額されました。これ以上、事業費の増額はないと保証できるのか、伺います。

臨港道路―必要性の根拠は全く説明できていない

臨港道路東扇島水江町線についてです。

答弁では、この橋の必要性について「物流機能の向上」「災害時の避難経路の複数確保」などが図られるという答弁でした。しかし、この間、この橋の目的・必要性について論戦してきましたが、その根拠がことごとく崩れています。コンテナ取扱量が「30年代後半に年40万TEU」になるという理由については、このままでは目標の半分にしか到達しません。「交通渋滞の解消」という理由ですが、トンネル内は混雑というほどの状態ではなく、夜光交差点、塩浜交差点の混雑ならば、交差点の改良で済むのです。「東扇島の労働者の避難路」という理由ですが、市の防災計画でも「高台避難が大原則」であり、震災の際、危険な橋に誘導したり、火災や浸水の危険のあるコンビナートへの避難誘導は、間違っているだけではなく、危険であり、橋が必要な理由には、まったくなりません。このように1本980億円のかかる橋に対して、その必要性、根拠については、全く説明できていません。

 事業費についてですが、昨年540億円から980億円に跳ね上がりました。総事業費980億円は、これ以上増額されないという保証はあるのか、伺います。

●答弁

(羽田連絡道路)

令和元年東日本台風による対応などのような不測の場合を除き、すでに承認いただいている予算と、今回計上している令和2年度予算の中で対応できるものと考えております。

(臨港道路)

本事業は、国の直轄事業でございまして、国からは総事業費980億円で実施予定と伺っております。

●再々質問

2本の橋、今後、増額する可能性はるのか?

臨海部の大規模事業について、市長に伺います。

羽田連絡道路についてです。

「これ以上の事業費の増額はあるのか」という質問に「不測の事態を除き・・令和2年度予算の中で対応できる」という答弁でした。不測の事態、要するに台風に間に合わない場合もあり得るということです。間に合わない場合は「再々度の浚渫もあり得る」という答弁ですから、その場合、令和3年度にさらなる事業費増額の可能性はあるのか、伺います。

臨港道路東扇島水江町線についてです。

「これ以上の増額はないという保証はあるのか」という質問に対して、「国の直轄事業なので、国から980億円で実施予定と伺っている」という答弁でした。要するに、増額するかは国次第ということです。昨年、国から540億円を980億円にすると伝えられても、一切反対もせず、議会にも通さず、国に言われるままに増額を受け入れました。次回も同じように国から増額が言われれば、反対もせずに了承するつもりなのか、伺います。

●答弁

(羽田連絡道路)

令和元年東日本台風による対応などのような不測の場合を除き、現在予定している事業費で対応できるものと考えております。

(臨港道路)

本事業は、川崎港の物流機能や防災機能の強化など、整備効果の高い事業と認識しているところでございます。

一方で、事業費の増額については本市にとっても重い負担と受け止めており、昨年度の国の事業評価監視委員会に係る意見照会において、「徹底したコスト縮減による総事業費の圧縮とともに、整備を推進されたい」等の意見を提出したところでございます。これらにつきまして、引き続き、国に要望してまいります。

●最終意見

今後いくらかかるかわからず、必要性の立証できない橋は中止を

臨海部の大規模事業についてです。

羽田連絡道路についてです。

先ほどと同じ「不測の事態を除き・・令和2年度予算の中で対応できる」という答弁でした。不測の事態、要するに台風に間に合わない場合もあり、その場合は事業費増額もあり得ることを指摘しておきます。

臨港道路東扇島水江町線についてです。

 昨年の国の事業費増額に対して「意見を提出した」という答弁でしたが、意見はコスト削減ぐらいで、「整備効果が高い事業」だから推進するよう述べています。これでは、国に言われるがまま増額を受け入れたに等しいし、また、国が増額を提案すれば、昨年と同様、反対もせずに了承するということになるのではありませんか。

これまでの質疑で述べたように、必要性も立証できず、事業費もいくらかかるかわからないようなこの事業については、中止すべきことを強く要望します。

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