むねた裕之
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しんゆり映画祭の映画上映中止問題ー 市の懸念自体、表現の自由を侵す

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10月27日に開催した「川崎しんゆり映画祭」で慰安婦問題を扱った映画「主戦場」の上映が予定されながら、いったん中止されました。この映画祭の共催者が川崎市となっており、市は開催費用約1300万円のうち約600万円を負担しています。

裁判を中止理由にすべきではない

日本共産党は12月議会でこの問題を取り上げました。共催者である川崎市が「裁判になっている」という懸念を主催者側に伝えたことが中止理由となっています。裁判という理由ですが、これを許せば、気に食わない映画は提訴すれば上映ができなくなってしまいます。表現の自由の侵害につながる問題であり、裁判を中止理由にすべきではありません。川崎市は、むしろ共催者として、こういう懸念に対して懸念を払しょくする立場に立つべきです。

市の懸念は明らかに圧力となった

「市が懸念を伝えた」という行為自体が中止理由になっています。市長は「この市の対応は適切だった」と述べています。しかし、市からの懸念について、主催者側は「かなりの強さをもって」伝えられ、「予算のおよそ半分を負担している川崎市との関係悪化は映画祭の存続にかかわる」という認識を持ったということです。市の懸念は明らかに圧力となっています。市長は「表現の自由とは全く関係のない話だ」と述べていますが、憲法21条は「一切の表現の自由は、これを保障する。検閲はこれをしてはならない」としており、表現の自由と検閲の禁止は一体のものです。市の行為が主催者側にとって圧力となれば、この行為は表現の自由、検閲の禁止を侵すことにつながり許されません。市長はこれらの発言を撤回すべきです。