むねた裕之
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鳥取県「災害ケースマネージメント」―被災者一人一人に寄り添った支援

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11月18日、鳥取県「災害ケースマネージメント」の取り組みについて、共産党市議団として視察をしてきました。

2016年10月、鳥取県中部地震が起こり、鳥取県中部を中心に重傷8人、軽傷17人、住宅被害15408棟など甚大な被害が出ました。県や市は、積極的な支援を行いましたが、発災後1年を経過しても、なお、住宅修繕に着手することができない世帯があり、その中には健康面、資金面での問題を抱えていたり、高齢者世帯で修繕に向かう気力を失ったりしている方々もいました。こういう世帯へ対応するために、行政や民間団体などで構成する「生活復興支援チーム」を新設し、困りごとの解決策を具体的に提案することで被災者の生活再建を後押ししていくのがこの「災害ケースマネージメント」です。

災害ケースマネージメントの流れですが、図にあるように

戸別訪問による事態調査を実施します。

県、市長、支援センターの職員が、2~3人一組のチームを作り世帯を個別に訪問し困りごとなどを聞き取ります。

実態調査の結果に基づき関係機関が集まり生活復興プランを検討します。

各世帯の課題を整理。関係機関と情報共有し、必要な支援の検討を行います。各世帯に合わせた生活復興プランを作成します。

必要な支援に対して支援チームを派遣します。

生活復興プランに基づいて支援チームを作り、戸別訪問、専門家の派遣、支援窓口とのマッチングを行います。

この支援により、住宅再建、修繕支援制度に対して「未申請」であった世帯約900軒に対して、この支援制度の連絡をして、481世帯に対して実態調査を行いました。これをもとに13回のケース会議を開催。ケースごとに専門家も入った支援チームを作り相談と対応してきました。現時点で113世帯が支援対象家庭として確認し、その中の75件に対して生活復興プランが作成されています。

この制度は、住宅再建、修繕支援だけでは救えない被災者を、一人ひとり戸別訪問して相談に乗り実態を把握して、専門家も入ったチームで生活再建ができるまで支援していく、優れた制度です。特に、一人一人の被災者を福祉の分野につなげていける制度です。川崎市でも、今回の台風被災者支援をおこなううえで参考になると思います。