むねた 裕之

宗田 ひろゆき
日本共産党川崎市議会議員
携帯日記

代表質問②-外国人専用の医療ツーリズム病院を2020年夏までに開設

2018年12月11日

12月6日に行われた日本共産党の代表質問で、医療ツーリズム病院についての質疑を紹介します。

外国人専用の医療ツーリズム病院、100床を2020年夏までに開設

◎ 質問

医療ツーリズム病院について市長に伺います。

医師会、病院協会などこぞって反対

医療法人社団・葵会は、自由診療に特化した外国人専用の医療ツーリズム病院、100床の開設申請を行い、2020年夏までに開設する計画を発表し、医療界に大きな衝撃を与えています。医療ツーリズム病院開設に対して、今年10月以降、川崎市医師会をはじめ川崎市病院協会、神奈川県医師会などから川崎市長へ開設反対の意見書や要望書が出されています。14大都市医師会連絡協議会でも、近く日本医師会に決議文書を提出する予定としているなど、医師会はこぞって反対を表明しています。

営利目的性、新たな病床増設が困難、医療人材引き抜き、皆保険制度の形骸化に

 医師会は、まず営利目的性の問題で反対を表明。葵会の外国人専用病院は経産省が旗振りをする医療ツーリズムの枠組みにそってJTBグループのJMHCが外国人患者をコーディネートするとしています。新設の病院の治療費・健診収入は年間35億4千万円とされており、同程度の体制の収益の2倍にもなります。これらのことから医師会は、“医療ツーリズム病院は株式会社ではないので非営利とされるが、営利企業との紐帯が強い事業であり、実質的にみれば「営利」と考えられる。新設の病院にしても極めて営利性が高いということで、開設は是認できない”と表明しています。さらに病床過剰地域の川崎市南部領域に開設することにより、新たな病床増設が困難になること、利潤性の高い病院に医療人材が流入し、医療人材不足を助長すること、自由診療の拡大により国民皆保険制度の形がい化につながるとして強く反対しています。

11月19日の地域医療構想調整会議では「人材の引き抜き」「営利目的性」「病床過剰」について懸念や意見が出され、11月21日、周辺の6町会定例会合で「地域医療がおろそかになる」「地域病院の医師が手薄になる」など不安の声が出されています。

外国人専用病院は医療法の趣旨から外れるなど違法の疑い

 さらに医療法との関連で大きな問題があります。医療法は第1条で「国民の健康の保持に寄与すること」を目的としています。このため外国人専用の病床のみの病院開設は、法の趣旨、法の理念から外れることになります。実際、外国人が国内で治療、入院する場合はありますが、あくまで「例外」であり、人道的、国際的な見地からの対応です。医療法の趣旨から外れる病院開設や医療提供は違法の疑いがあります。

 すべての人が貧富などの差別なしに適切な医療を受ける権利は日本医療の根幹です。しかし、医療ツーリズム病院は外国人の富裕層を対象に自由診療に特化した医療機関であり、このことは医療法の趣旨、理念から外れ、地域医療、国民皆保険制度へも多大な悪影響を及ぼします。医師会もこぞって反対しているこのような医療ツーリズム病院は開設すべきではありません。外国人専用の病院開設は全国初であり、川崎市が認めれば典型例として全国に大変な悪影響を広げるなど、川崎市の責任は重大です。

開設について県知事の見解、本市の見解は?

医療法では、都道府県知事は都道府県医療審議会の意見を聞いて、開設等について「勧告」を行うことができるとしていますが、現在、神奈川県はどのような見解を持っているのか、伺います。厚生労働省の地方厚生局である関東信越厚生局は、開設についてどのような見解を持っているのか、伺います。様々な懸念があり、医療機関団体や住民の理解を得られていない現時点で、川崎市はどのような立場なのか、伺います。

◎ 答弁(市長)

県は「開設しないよう」勧告、本市も「現時点では賛成しかねる」

本件に対する勧告権限の行使に係る神奈川県の見解といたしましては、病床過剰地域における開設は、病床の地域偏在を助長する恐れがあること等から、県医療審議会の答申を得る必要があるものの、開設をしないよう勧告することが妥当と考えている旨、確認しております。 また、厚生労働省に対しましては、現在、県と連携しながら、法令の解釈等についての照会を行っており、 今後、正式な回答を求めてまいりたいと考えております。 本件につきましては、特に病床過剰地域において新たに外国人専用病床の整備が行われることは、病床数や医療人材の確保の観点も含め、「限られた医療資源を効率的・効果的に活用し、高齢化に伴う医療需要の増大に対応する」という地域医療構想に影響を及ぼす要素を含んでいることから、現時点においては、賛成しかねるものと考えております。 今後につきましては、医療関係団体等のご意見を十分尊重しながら、国、県、医療関係団体及び法人と協議・検討を進め、市民が安心して医療を受けられる環境整備に向けて、最善の方策を講じてまいりたいと存じます。

◎ 質問

医師会は「是認できない」、病院協会も「容認できない」

 答弁では、神奈川県は「病床の地域偏在を助長する」として「開設しないよう勧告する」ことを確認しているとのことです。また、委員会資料では厚生労働省の関東信越厚生局も、指定申請があった場合、「保険医療機関指定はしない」と想定されています。本市も明確に「現時点では賛成しかねる」という答弁でした。

 委員会資料では、市医師会は「医療ツーリズムは“営利”と考えられ、現在の地域医療機能への混乱が危惧される」として、「是認できない」とされ、市病院協会も「地域医療と地域医療行政の将来に禍根を残す」として「容認できない」としています。

葵会に対して「開設すべきではない」というべきでは?

 国は「保険医療機関指定はしない」とし、県も、市の医師会、病院協会もこぞって開設に反対し、本市も「賛成できない」としているわけですから、葵会に対して「開設すべきではない」というべきではないですか、伺います。

◎ 答弁(市長)

本市といたしましては、今後、地域医療を混乱させないための方策について、国、県、医療関係団体及び法人と協議・検討を進めるとともに、国において「地域医療構想」と、病床数や医療人材確保に影響を及ぼす要素を含む「外国人医療インバウンド政策」が併せて推進されており、双方が両立しうる法制度や環境の整備が不可欠と老えられることから、県等とも連携しながら、国に対し働きかけてまいりたいと存じます。

◎ 意見

市長は「法制度や環境の整備が不可欠」と容認の方向に

市は開設許可を出すべきではない

市長は、初回の質問では「賛成しかねる」としていたのに、今回は「双方が両立しうる法制度や環境の整備を」進めるという答弁でした。この答弁からすると容認する方向になるのではないかと危惧します。様々な問題があり、いろいろな団体や住民が反対し、将来に禍根を残すような医療ツーリズム病院に対し、市は開設許可を出すべきではないことをあらためて求めておきます。

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