むねた裕之
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代表質問・「市職員の長時間労働」-労基署からの勧告や年1000時間超の職場などいまだ深刻

6月14日、日本共産党川崎市議団は、代表質問を行い、「市職員の長時間労働」問題を取り上げましたので、以下に紹介します。

長時間労働の実態は、いまだ深刻

市職員の労働環境についてです。

わが党は、昨年3月議会で、市職員の長時間労働の実態を取り上げ、職員の増員を求めてきました。その後、市は、「働き方・仕事の進め方改革」を策定して1年たち、市長は今定例会の提案説明で「昨年度の職員の時間外勤務の状況は、前年度に比べて1割程度、年間平均時間数が減少するなど、効果が見えてきたところ」と述べましたが、実際、労働環境は改善されたのでしょうか。

年480時間超は307人、月80時間超372人、年1000時間超5人

2017年度の市職員の長時間労働の実態は、いまだ深刻です。年480時間を超えた職員は307人、過労死ライン月80時間を超えた職員は372人、年1000時間を超えた職員は5人もいます。本来、36協定では、時間外・休日勤務の限度時間は年360時間で、「予見できない臨時または緊急の業務が集中」する場合でも年480時間です。これを超え、さらに過労死ライン、年1000時間を超えて働かされている職員がまだいること自体、大問題です。

労基署から勧告(多摩区役所)、長期療養者数は倍増

多摩区役所・保健福祉センター、上下水道局・第2、第3配水工事事務所、交通局塩浜営業所は、17年度に労働基準監督署から勧告を受けています。また、長期療養者数やメンタルによる長期療養者数は、15年度より逆に増えており、復職の相談を除いた職員保健相談室への相談件数は、15年度の2倍以上になっているなど、長時間労働が職員の健康状態にも影響を与えていることがわかります。このような長時間労働、長期療養者の実態をどう考えるのか、市長に伺います。

人口14万人増加しているのに職員1200人削減―職員が足りないという認識は?

 川崎市の人口は、この10年間で14万人増えているのに、逆に職員は約1200人減らしました。この長時間労働の最大の原因は、必要以上のリストラにより職員を減らしすぎた結果です。職員が足りないという認識はあるのか、市長に伺います。

市は「働き方・仕事の進め方改革」で、36協定の遵守と年480時間超の時間外勤務を行った職場への調査、改善を行うとしていますが、それらの職場の職員は増員されたのか、特に労働基準監督署から勧告を受けた多摩区役所の保健福祉センター、残業時間が年1000時間超の職員がいる総務企画局、健康福祉局は増員したのか伺います。

市長答弁―「一定の効果」と評価し、職員増員については言わず

答弁(市長)

本市では、長時間勤務の是正を早急に対応すべき喫緊の課題と捉え、平成29年度から全庁的に働き方・仕事の進め方改革の取組を進めているところでございます。 長時間勤務となっている職員数につきましては、昨年度は前年度比で減少し、一定の効果が見られますが、引き続き、取組を推進する必要があると考えております。 今後におきましても、職員のワーク・ライフ・バランスの確保と健康保持に向け、全ての職場で三六協定における時間外勤務の限度時間が遵守されるよう、職員の働く環境の整備や意識改革など、働き方・仕事の進め方改革の取組を引き続き総合的に進めてまいります。 また、メンタル不調は、本人とその家族の負担や職場 への影響も大きいことから、心の健康の保持・増進が重要であると考えておりまして、これまでも川崎市職員メンタルヘルス対策推進計画に基づき、相談体制の強化を 図るなどの取組を進めてきたところであり、引き続き、 産業保健スタッフと主治医、職場との連携を密にしながら対応してまいります。 次に、職員配置につきましては、社会状況の変化や市民ニーズに的確かつ迅速に対応するため、これまでも適宜、必要な見直しを進める中で、業務実態に応じた職員 の配置を行っ.てまいりましたが、引き続き、行政が担うべき役割を確実に果たすため、職員の配置及び組織の最 適化を進めてまいります。

答弁(総務企画局長)

長時間勤務の是正につきましては、早急に対応すべき喫緊の課題と捉えておりますので、全ての職場で三六協定における時間外勤務の限度時間が遵守されるよう、引き続き働き方・仕事の進め方改革の取組を進めてまいります。 次に、職員配置につきましては、個々の職場の業務の実態を把握し、業務分担の見直しや業務改善を行うとともに、必要に応じて職員を増員してきたところでございますので、今後も行政が担うべき役割を確実に果たすために、必要な職員の配置及び組織の最適化を推進してまいります。

(再質問)

本来、年480時間超はゼロにすべき―目標に掲げるべき

 市長は、長時間勤務の職員数について「前年度比で減少し、一定の効果が見られます」とし、36協定を遵守していくと述べましたが、36協定の限度時間を超えた職員が300人以上もいるのです。本来、時間外勤務で年480時間超の職員はゼロにしなければならないし、年1000時間以上の方がいるということ自体、大問題です。これを「一定の効果がみられる」と評価して良いのでしょうか。「働き方改革」の目標の一つとして年480時間超の職員をゼロにすることを掲げるべきです、市長に伺います。

20部局のうち19部局が年480時間超―職員の増員を!

 市長は改革の中身として「職員の増員」という言葉はなく、「働く環境の整備や意識改革」を進めていくという答弁でしたが、18年4月時点の職員数は前年度と比べて27人削減しています。職員の増員なしで年480時間超の職場がなくなるのでしょうか。20の市長事務部局のうち、年480時間超の職場は19部局、超えていない部局は市民オンブズマン事務局だけです。あらためて年480時間超の職場へは職員を増員すべきと思いますが、市長に伺います。