むねた裕之
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予算特別委員会②-四方嶺住宅跡地「避難場所、保育園、スポーツ広場を」

3月8日、予算審査特別委員会で、私(宗田)が質疑を行った四方の嶺住宅跡地問題について、内容をお知らせします。

隣接する国有地に巨大なマンションが建設される可能性もあり、避難場所、保育園、スポーツ公園の要望はますます高くなっています。

写真(予特)

四方嶺住宅跡地の利用について

・2017年度一般会計補正予算で、市営四方嶺住宅跡地周辺整備事業費が、4億6200万円の減額補正となりました。その理由として、「周辺住民の方との調整のため」ということです。

・四方嶺住宅跡地は、川崎市で最大の未利用地ですが、2016年7月の基本方針で市有地の4分の3を民間に売却するという計画が出されていました。

・この問題では、地元蟹ヶ谷では有志の会が結成され、3回の住民説明会が開催され、「民間に売却しないでほしい」、避難場所、保育園、スポーツ公園などの要望が出され、4500筆もの署名が集まっています。また、地元18町会・自治会からも市長へ要望が出されています。

・昨年の住民説明会から半年以上たち、状況も変化していると思いますので、改めて伺います。

避難場所について、総務企画局長に

・この間、台風時期の豪雨により、各地で大きな災害が起こっています。昨年も高津区で2か所の崖崩れが起こっています。

蟹ヶ谷地域における防災上の危険地域の指定は、どのようになっていますか、伺います

答弁

蟹ケ谷地域におきましては、一部、鶴見川水系矢上川 の洪水浸水区域に指定されているほか、急傾斜地崩壊危険区域及び士砂災害警戒区域に指定されているところがございます。

・この地域は、山と川に囲まれた地域で、洪水浸水地域、急傾斜崩壊危険区域、土砂災害警戒区域と3つの危険区域に囲まれている/1989年には、蟹ヶ谷の崖崩れで、6人が亡くなり、重軽傷者12人を出す大きな災害がありました。

蟹ヶ谷地域の避難所はどこになっているのか、伺います。

答弁

蟹ケ谷地域の避難所につきましては、子母口小学校と 東橘中学校を避難所に指定しているところでございます。

・子母口小と東橘中ということですが、蟹ヶ谷地域からこの避難所に行くには、急傾斜地を降りて、矢上川の橋を渡った先にある/多くの地域の方から「豪雨災害の時、お年寄りがあの急坂を下って、溢れそうな川の橋を渡って、浸水の危険がある東橘中まで行くことができるのでしょうか」という声が出ている

避難所の東橘中学校は、洪水ハザードマップでは、どのように指定されていますか、伺います

答弁

東橘中学校における、鶴見川水系矢上川の想定浸水深 は、 0.5m未満となっております。

・矢上川の洪水ハザードマップでは、避難所の東橘中が浸水区域に指定されています/だからこそ、山を降りていく必要のない、洪水の心配もない四方嶺住宅跡地に避難場所をという要望が出ている

計画の公園ゾーンは「災害時の避難場所としても寄与する公園」としていますが、0.1haの広さにどれくらいの人数を収容できるのか、伺います。

答弁

公園などの一時避難場所における避難可能人数につき ましては、算定基準を設けておりませんが、地域防災計 画において公表している指定避難所の収容可能人数の算 定方法に準じて、避難者1人当たりの必要面積を2平方メートルとした場合、 0.1haの広さの公園では、 500人程度の避難が可能であると考えているところでございます。

・蟹ヶ谷だけでも人口は8600人いるのに、この公園に避難できる人数は、わずか500人/0.1haという公園の広さではとても狭すぎる

・あらためて跡地を避難場所として、確保するよう要望します。

認可保育園の状況について、こども未来局長に

・2018年1月時点で認可保育園に入れないという通知を受け取った高津区の方は、662人もいて、中原区に次いで全市で2番目に多い・

この地域の唯一の認可保育園である蟹ヶ谷保育園において、一時利用調整終了段階で入所を希望した児童のうち、内定にならなかった児童数を、伺います

答弁

蟹ケ谷保育園への4月入所を希望した児童のうち、内定とならなかった児童の人数は、 126日の一次利用 調整終了時点で、複数の保育所を選択して希望されている方も含めますと、39人でございます。

・蟹ヶ谷保育園での入所保留数は39人もいる/認可保育園は、全市的にも不足していますが、高津区や蟹ヶ谷地域では特に不足している

隣接する国有地跡地について、まちづくり局長に

国有地の跡地利用はどのような計画なのか、伺います。以前の国有地の公務員宿舎の総戸数を伺います。

答弁

当該国有地につきましては、市営住宅跡地の取り扱いと合わせて、国と適宜情報交換を行っているところでございます。

当該国有地の具体的な売却時期は未定とのことですが、 平成30年度以降、売却するための手続きを進めると伺っており、今後も引き続き、良好な住環境の形成に向けた協力が得られるよう働きかけてまいります。

また、これまで国有地にあった公務員宿舎の総戸数につきましては、 226戸と伺っております。

・民間に売却するということ/1.5haもある広い土地で、蟹ヶ谷バスターミナルからも近いので、大規模なマンションの建設も考えられる

・・以前の国有地の公務員宿舎でも226戸、マンションだとこれ以上の戸数に/国有地だけでも700~800人の人口増/四方の嶺住宅跡地に低層住宅が建つとしても人口は合計で1000人以上増える/若い世帯が中心に入居するとなると年少人口は200人を超える可能性大/これでは学校の教室も保育園も足りなくなる可能性が

・蟹ヶ谷地域は、この10年間で人口は1300人増加/今回の「市営四方の嶺住宅跡地利用に関する基本方針について」では「小中学校の教室不足も懸念されるため、過大な住宅供給とならない配慮は必要」と述べている

・住民説明会でも「これ以上、住宅を増やさないで」「避難場所も保育園も足りなくなる」という声が/宅地をこれ以上増やすべきではありません

・跡地に認可保育園の増設を要望するとともに、せめて国有地の売却状況を見てから判断すべきことを要望します。

跡地の仮設グランドについて、まちづくり局長に

・住民説明会では、現在、仮設校舎跡地のグランドを使って練習している団体の方々から「スポーツの練習ができる公園を」という要望が。

現在、仮設グランドを利用している団体は9団体ありますが、そのグランドの広さを伺います。

答弁

市営四方嶺住宅跡地グランドの広さにつきましては、 0.29haでございまして、地域住民の健康増進及び 交流活動の場として、地元からの要望により、利用調整 を含めた管理を条件に、自治会の暫定的な利用を認めて いるところでございます。

・多くのスポーツ団体が利用しており、練習場所が慢性的に不足/仮設グランドの広さは0.29haあり、高いネットも設置されています/仮設グランドを使っているスポーツ団体の方に伺ったところ「最低でも50m*50m=0.25haは必要」/とても0.1haの広さで、他の市民も使っている公園では練習はできない

公園について、建設緑政局長に

高津区で、野球、ソフトボール、サッカーなどの練習ができる公園は、どのような場所がありますか、伺います。

答弁

高津区内の公園内運動施設につきましては、全て多摩 川河川敷にございまして、一般用の野球場として6か所、 少年用の野球場として5か所、ソフトボール場は2か所 あり、少年用のサッカー場が1か所ございます。

・多くの団体が「この地域から多摩川河川敷まで練習に行くには遠すぎて、利用できない」ということでした

・この仮設グランドが使えなくなると、現在使えるのは東橘中と子母口小の合築校舎のグランド1か所だけとなります。使用できる機会は半減します/しかも、子母口小のグランドは小さく、野球などの試合はできず、東橘中のグランドだけとなります/しかし、中学校はほとんど部活で使われ、そこを借りられるのは月1回くらい/あるソフトボールの団体は、7チームで構成していますが、仮設がなくなると、試合の練習ができるのは月1回あるかないか/ある団体は、仮設がなくなると月3回使っていたのが1回のみに

・以前、この地域の方は子母口小、東橘中のそれぞれのグランド2か所と、県立職業訓練校のグランドも使えていたのですが、現在は合築グランド1か所のみに/球技禁止の公園も増えており、スポーツの練習ができる公園は、どんどん少なっており、全市的に大きな行政課題/住民みんなが使えるスポーツ・球技の練習ができる公園を作るべきです。要望いたします。

(まとめ)

・以上のように、蟹ヶ谷地域は、避難場所、保育園、スポーツ公園など、不足していますし、全市的にも不足しており、用地の確保は大変です。四方嶺住宅跡地は、市内最大の跡地として残っているわけです。この貴重な市民の土地を、民間に売却して住宅を建てるのではなく、市民の要望を聞き、市民のために使うことを要望します。