むねた裕之
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神戸市の医療産業都市構想の行き詰まりー川崎市の医療特区構想と類似

12月1日、医療産業都市構想について、神戸市に視察に行きました。

神戸市は震災からの復興事業の目玉として、ポートアイランドの空いた土地に、先端医療研究機関を集積させる医療産業都市構想を展開してきました。「企業が進出し雇用が増え、大きな経済効果が期待される」など大宣伝、土地は市が買い取り安い賃料で貸し、固定資産税も9割引きするなど、市は大変な負担をしてきました。

しかし、現在、500社が入ってきても200社が出ていく状況で、雇用効果も経済効果も上がっていないというのが実態です。海外の富豪を迎えて医療を提供する医療ツーリズムとして注目された神戸国際フロンティアメディカルセンターは、生体肝移植手術した10人のうち7人が死亡し大問題となり、約42億円の負債を抱えて倒産しました。市民のための市民病院がこの構想をバックアップするための中核施設として移設され、市の中心から遠く離れ、津波被害も想定される場所で、地域医療とはかけ離れた実験医療が行われています。

神戸のこの構想は、川崎市の殿町地域に先端医療機関を誘致している「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区構想」に非常に似通っています。川崎市が神戸の二の舞になるのではないか?と危惧しています。ぜひ、神戸の教訓を川崎市政にも生かせていきたいと思います。