むねた裕之
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福島・被災地の視察・・仮設住宅などの無償提供は来年3月で打ち切り

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(相馬市の備蓄倉庫)

日本共産党・川崎市議団で4月12日、13日、福島県に被災地の視察に行きました。

1日目は、福島県庁で行政から県内の被災・復興の状況を聞き、日本共産党福島県議団と懇談をしました。

原発事故から5年が経過した福島県は、今なお全国に約10万人近くの原発事故被災者が先の見えない不自由な生活を余儀なくされています。川崎市にも福島県から575人の方が避難してきて生活を送っています。震災による死者数は3844人、うち避難生活を送る中での体調不良などが原因でなくなる「災害関連死」が2016人に上っています。

仮設住宅などの無償提供を来年3月で打ち切り

県の行政からの報告で驚いたのは、仮設住宅、借り上げ住宅など避難先の住宅の無償提供が来年の3月までで打ち切ることでした。特に南相馬市では、仮設住宅に2066世帯も残っており、原発関連の復興住宅が目標927戸で完成はゼロという状況です。このような状況では、来年までに仮設住宅に暮らしている人を新しい住宅に移すことはとても難しいし、住宅が確保できないまま仮設住宅を追い出される事態になりかねないと思いました。

避難解除と賠償打ち切り

共産党県議団の懇談で、被災地の現状と問題点が明らかになりました。

第一は、政府・東電は避難解除とともに賠償打ち切りへと動いていることです。政府は「改定復興指針」では、①「避難指示解除準備区域」と「居住制限区域」の避難指示を2017年3月までに解除する、②両区域での月10万円の精神的賠償を2018年3月までとする、というものです。さらに東電は「営業損害賠償は将来分を含めた一括払い(2014年8月~2015年7月末までの1年間の2倍相当)を支払って打ち切る」と発表しました。復興住宅も、元の家の復旧もすまないうちに仮設を追い出され、賠償も打ち切られることになりかねません。

帰還ためらわせる原発の現状

第二は、帰還をためらわせる原発の現状があるということです。

メルトダウンした1号機~3号機は建屋内の放射線量が高く近づけないため溶け出した燃料がどこにあるかすら正確に把握できず、1日400トンずつ増えてきた汚染水対策への見通しも立っていません。国は県土の7割を占める森林の除染は行わないという方針を打ち出しています。避難指示が解除された楢葉町では、解除後半年たって戻ってきたのは440人、約6%にすぎません。解除される地域の避難住民への意向調査でも、「戻らない」と答えた住民は大熊町で64%、双葉町で56%と過半数を超えています。

相馬市の備蓄倉庫を視察

相馬市の備蓄倉庫を視察しました。この備蓄倉庫には1万人分の生活用品などが備蓄されていますが、災害の経験を生かした備蓄品が多くありました。

●パンクしないリヤカー(空気チューブがない)

●ガスなどの燃料のいらない釜(薪でも炊ける)

●電動のフォークリフト

●水圧で開くシャッター(電気が来てなくても倉庫のシャッターが消防のホースの水圧で開く)